『ベルサイユのばら』の棚

実写映画『Lady OSCAR』観賞メモ

変なスイッチ入ってる間に毒を食らわば皿まで。ロードショーで観て、その後テレビ放映を一回観たっきりのソレを手っ取り早く観るために、ネットショップでDVDを捜索。在庫有表示だったところで無事に新品をゲットしました。定価以上で買うような作品ではありませんから、この映画。

1979年作品・124分、オリジナルの英語モノラル音声、疑似ステレオ英語音声、モノラルサウンドトラック入り。日本語音声無し。
※台詞は字幕を参照してます


特報予告編本編まとめDATA

特報

カトリオーナが前髪上げた状態でポーズ!というカットあり。この顔だと凛々しいのですが、本編通り前髪おろしちゃうとかわいくなるがなんとも(汗)

予告編

「一発の銃声がオスカルを変えた」

そういえばそういうキャッチコピーがありましたね、と思い出す始末。
“日本映画の華麗な挑戦”←ピンクの字幕。東宝っぽい?

本編

渋かっこいい東宝マーク!の後にピンク文字で『ベルサイユのばら』。すっかり忘れていたので、マークとロゴのギャップにちょっとウケました(笑)

1755年。オスカル出産と同時に亡くなるジャルジェ夫人。父はそのまま跡継ぎとして育てるように決定、ついでにばあやの孫息子を呼び寄せるように命令とサックリした展開。言うだけ言うと、娘を抱く前に妻に会いに行くんですけどね、父ちゃん。

タイトル曲は、確か日本語歌詞がついてシングルカットされていたような記憶があります。ペガサスがらみの歌詞で。この曲はいいんですよ、ロケ地にはあっているし。

1767年。ちびオスカルはちょっとふくよか、ちびアンドレの方が美形という事実はどうしましょうー(^^; 彼らが戯れてる物置きはあとでも出ます。物置きに隠してある人形を大事そうにだっこするオスカルちゃん。←!!!

1775 年まで一気に飛んで大きいオスカルとアンドレ登場。ジャルジェ父から、オスカルは王妃付き近衛隊配属、アンドレは王宮の厩番の仕事があるという話のあと、「これからは責任をもって別々の人生を歩け」と言われます。ここまでに二人が一緒のシーンって、ちびOAが雪の中でたわむれてたシーンと直前の剣の練習シーンしかないんですけど(^^;A 主人にたてつくアンドレ、雇用主ジャルジェ将軍との信頼関係は無いようです。(←ここで父ちゃんの描かれ方に気がつかないといけなかったのね(^^;A)

自室で髪結い中&ドレスチェック中のアントワネット、クラブサン弾きつつ歌うポリニャック夫人(きっちりなにか強請ってる)。警備のために窓際にいるオスカルは、窓下の怪しい男を知らないようです……この時点でフェルゼンと知り合いじゃなかったのかーーー(^^;A マリーさんはすでにフェルゼンと良い仲になっているらしいのに。オスカルをまねして男装がはやっているとかいう話?があって、あとで本当に出てきます……あの結い上げた髪形で男装して扇ぱたぱたしてるご婦人方が(^^;A
奥方の部屋で錠前チェックをするのが初登場シーンという国王陛下ー(^^;;;;

ロザリーと母さんは洗濯屋。ジャンヌは預かり物のドレス着てそのまま飛び出して行き、侯爵夫人の馬車に拾われるという怒濤の展開。次のシーンでその侯爵夫人がフェルゼンと話してるんですがー、フェルゼン髭濃い(笑) さておき、警備中?のオスカルが泣きそうな顔してるのはなんでですかー?化粧のせい?(^^;;;
その後、フェルゼンに男装の女なんてあり得ない風味のことを言われたオスカル、機嫌悪くアンドレの待つ馬車まで帰還。彼女の顔を見て、「戻って(フェルゼンを)ぶんなぐってやる」というとっても強気なアンドレ(^^;
帰り道、馬車にロザリーが近寄ってきて「私を買ってください」な展開になるのですがー、アンドレが据え膳とか言い出すし(笑) 市中の状況をなんにも知らないオスカルさん、積極的に知る気も無いようですが。

A「見ようとすれば 飢えはかくれてなんかいない」

そのやりとりをしている内に、ロザリー母はさっくり轢かれてます。展開早っ。ちんたら走る事故車を追いかけて追いつかないロザリー。そんなこんなで馬車が道でつかえてて、早く通せという貴族とオスカルさんが喧嘩→決闘。なんじゃそれは(^^;A

夜、オスカルの部屋で引き止め説得するアンドレ、そこに入ってくる父……隠し扉に隠れるアンドレ(^^;A 隠し部屋とかいっぱいあるのねー(^^;A(←隠し部屋じゃなくてクローゼットらしいことが判明)
で。一晩この部屋に居てくれって。アンドレ断ってるのに引き止めるオスカルさん…や、昔の(子供の頃の)ままでいたいようだったからまぁいいんですけど(^^; そこのアンドレは理想に燃える極く普通の青年ですよ? 据え膳な会話も忘れてるのか(^^;A

決闘の相手だれか解りませんが、とにかく勝利。あ、決闘の手段はピストルです。

ローアン大司教登場。「女癖が悪そう」という方向でイメージぴったりですわね。男前です。

パン屋のウィンドウが壊されたところに居合わせ「ダッシュでパンを盗ってくるロザリー!」したたかすぎ!! パンかじりながら歩いてるところを、貴族(ジェローデル?)にひっかけられそうになり(彼女本人は乗り気になってきてる)、ベルナールがそこへ駆けつけて拾います。「(さっきの貴族は)羽根ぶとんで寝かせてくれるって」に「藁ぶとんならあるよ」と返すベルナール。いいのかそのロザリーで! とゆーか女にばりばり興味のあるジェローデルって!

ベルナールが入って行った酒場で、オスカルとアンドレが飲んでます。飲んでる理由が決闘後のうさばらしというか、「男のように殺せない」で悩んでる。とても不自然な気がします。軍人として育ってきたんじゃないのか君は。
隣で飲んでた一団にロベスピエールも居たりして(^^; 思想的な対立で酒場乱闘に…抜いたのオスカルさん先か(^^;A 多勢に無勢でボコボコ、外で二人とも倒れてるところになんでフェルゼンが来たのか不明(始め誰が来たのか解らんかったですよ)。通りすがって馬に乗せるの手伝って送ってきただけ(^^;A ま、送って行かないと彼にはオスカルさんが「お嬢様」だってわからない(笑) あのカトリオーナオスカルのむっちりした腰と太もも見ても、ぐてんぐてんの彼女を抱きとめても女性だと解らない鈍感さんのフェルゼン。

ばあや「誰にだってわかると思いますけど」

ナイスツッコミばあや。ちょっと気になったのは、フェルゼンはオスカルさんを(字幕では)将軍と呼んでたけど、彼女はいつのまに将軍に?そっちの方が気になります。
部屋のカーテンもドアも開けたままブラウス脱ぐオスカルさん、鼻血も拭かずにトップレスのままベッドでごろん。ブーツは脱がなくていいんですか。垣間見ちゃうアンドレ……はさておき、ゆるいコルセットくらいつけてそうなものなのですが。ノーブラに直接ブラウス着てると軍務できないと思いますよ、真剣な話。

マリーさんとフェルゼンの夜の逢い引きはカメラがくるくる回ります。あの調子だとプラトニックじゃなさそうなんですけど、大丈夫ですか。まだ世継ぎ生んでませんよ王妃様。

1776年。王妃に愛人がー!の号外ではじまるシ−ンて(^^;A
ジャンヌがかつら?になりました。髪粉かもしんないけどよく知りません。……他の貴婦人と見分けつかないっすーorz ニコラスはイメージぴったりの人だと思います。

ベルサイユの庭がきれいです。生の馬に生の庭はいい!!! 人はどうでもよくなってきます。

部下が持ってきた前出の号外をフェルゼンに届けるオスカル。

F「おかしなものだ 男女のごく普通の愛情が こんなにも憎まれるとは…」

↑極めて普通の貴族っぽい発言というかなんというか、空気読んでるのだろうか。
彼のアメリカ行き決定。二人で会ってるのを見て馬で駆け去るアンドレ。盗み見はだめですよー。

プチトリアノン建設計画をうきうきと語るマリーさんが美しいというか、このシーンは薄ピンクのドレスが似合って妙にかわいらしいです。話してる内容はさておき(汗)

1778年12月 マリーさん、長女ご出産。出産にものごっつう大勢の貴族が立ち合うの図を見られます。オスカルとジェローデルもいます……ジェローデルはオスカルさんの方ばっか気にしてますけど(^^;A
再生時間00:54:30あたりの16世陛下の顔見て思ったんですが、実在16世陛下の肖像画にそっくりなような。鼻筋とか。取り上げ人(♂)と値段交渉する陛下。世継ぎの1/4の料金ですかそうですか。でもそういう台詞はここで要るのかいな。

1781年10月 マリーさん、長男ご出産。アメリカ独立戦争終了。
赤子のジョゼフを抱っこするオスカルさんがとってもいい顔してます。王后陛下と女同士の会話をする……このカトリオーナオスカルだと全然違和感無く(^^;A
宝石商ベメールはポリニャック夫人が連れてきます。フェルゼン帰還の報もポリニャック夫人が……(^^;;;;;;;;;;;

ロザリーはベルタンのお店でお針子やってますとさ。お届もの持ってジャルジェ家へGoだ!ドレスを受け取るのはアンドレだっ!仇を探しに王宮へ行きたいというのを内緒にしてるロザリーを王宮へ連れて行くのもアンドレだっ!いいのか(^^;A
ここでロザリーからフェルゼンが帰ってきたことを(王妃の恋人が帰ってきたといううわさ話として)聞くアンドレ、顔色変わってます。

白いドレスがよく似合うよカトリオーナさんっ! 軍服似合わない……。

ドレス着たオスカルさんをベルサイユでの舞踏会に送って行くアンドレ、その馬車の荷物入れに入って侵入するロザリー。そんな出方だとイロイロとバレバレじゃないですか?(^^;A

誰か必死でオスカルにちょっかいかけてますが、思いっきり無視されてます。王后陛下と踊り終わったフェルゼン、ドレス姿のオスカルさんを目ざとく見つけて寄ってきますよー(笑) オスカル本人とは知らずにほめちぎるフェルゼン→「いとこの話」としてフェルゼンに告白するオスカル→「ある女性がいなければ彼女を恋したと思う」と言う彼→オスカル「かわいそうに、彼女に機会はないと」
あれ、思い切るためじゃなくて告白しに行ったのか、オスカルさんや?(^^;

階段脇に隠れて待ち伏せ中にポリニャック夫人を見つけるロザリー、飛び出して行って首締めてゆさぶって(え?)逃走。追いかける近衛兵。をいをい、ふつーに捕まってブタバコ行きじゃないのかそれは(^^;A

ドレス姿で庭園に出てくるオスカル、背後から近寄るアンドレ→微妙に青いレモン。いきおいで破けたのか破いたのかよく解んない(^^;A
アンドレの告白に対して「そんな権利はない」即答ってオスカルさん……orz このオスカルさんは子供の時のままシンプルにいたいそうです。決闘の前にもそんなこと言ってたわ、そういえば。

1784年
ルブラン夫人が有名なアントワネットの肖像画描いてますが、絵の左半分は下絵の状態で下塗りも無く右半分の背景は塗り終わり、人物はほとんど出来上がりの状態はおかしくない?キャンバス+油絵の具のテクスチャ無くて平面ぺったりなのでお察し下さいというとこかしらん。
大蔵大臣の意見具申も国王陛下の意見も全然聞いちゃいないマリーさん。ポリニャック夫人の巧妙さはたっぷり出てますわ。お庭に火山作るのやめて劇場ってなんですの(^^;A

ジャンヌが動き出したのはいいですが、偽王妃の手紙をニコラスが書いてました。彼は偽造もやるのか。


この時点で残り時間約42分。終わるのかこれは(^^;A


1785年7月
劇場で「セビリアの理髪師」練習中の王后陛下と取り巻き。警備にオスカル…と思ったら王太子殿下を肩車してます。(華奢なカトリオーナオスカルが少年を肩車するの図は、なにか間違ってるような(^^;) 正直な意見(といいつつマンセーしか求めてない)を求められて正直に言ったら「これからは意見を言ってはなりません」て、王妃様。その場で衛兵隊転属を願い出るオスカル。

オスカルが警備を離れたので、ジョゼフ「かあさまは僕が守ってあげます」
かあさまは今度やる劇のことで頭がいっぱいです(汗)
アントワネットは映画スタッフ(とりあえず脚本家と監督)からは徹底的に嫌われてますか? 母の威厳もなにも、脳みそ空っぽです。実在さんゆえ複雑なものがあるからでしょうか。女優さん(故人)は美人だと思います。

衛兵隊。閲兵式で剣無し発見とかおちょくりとかで速攻手が出るオスカルさん。
衛兵隊の厩で働いてるアンドレ。オスカルさんは最近アンドレと話ができなかったり一緒にご飯食べられなかったりして寂しいらしい。

O「お前がいないと淋しい」
A「なぜだ? 俺達はここにいる 同じ空気を吸い… 二人とも淋しがって」
O「私は…」
A「貴族だから上等なのか?」
O「違う人間なんだ 私も認めた法律で分けられた」
A「違う人間だって!? 俺達は同じ人間だ」
O「いい言葉だが非現実的だ」
A「やればできる! アメリカでは好きな人と結婚できる 平等がある」
O「その為に何万の人命が犠牲になった」
A「俺も喜んで命を捨てるね」
O「死んだら何もならない」
A「死によって大きな意味を持つ人生もある」
O「お前なしでは 私は…」
A「大した事はない 夢はすぐみつかる」
(しょんぼり帰って行くオスカル)

生馬のおしりが素敵。変な意味でなくて、オスカルさんの馬はすごく綺麗な白馬ですねー、と。オスカルさんがあんまりなので馬を愛でてみる。アンドレ、もうちょっと噛み砕いて言わないとこのお嬢様には通じないような気が。

ジェローデルの球根じゃなくて求婚きましたー。

O「何の用で?」
J「あなたが欲しい」

ストレートすぎ(笑) 軍人じゃなくて資産家なのね、ジェロさん。このジャルジェ父ちゃんは彼の資産にも心動かされた模様。
アンドレ(中身入りワイングラス装備(笑))とも顔をあわせたジェロさん

J「私は君と彼女を引き離すつもりはないよ 君もなかなかきれいだからね 結婚したら妻の従僕として 君をやとうつもりだ」

よっしゃ行けぶっかけろー!(外野の声ヾ(^^;

A「私はこの通り不器用です やめた方がいい」
J「(前略)だが私は― もっと面白い事が好きだ 君が苦しむのを見物する方がね」

根性悪の上に変態かっ(^^;;;;;;;

A「婚約するのか?」
O「他に道があるか」
A「選ぶ権利がある」
O(首を振りながら立ち去ろうとする)
A「この家を出る もう召使いじゃない」

あのー、オスカルさん?


1785年8月15日
首飾り事件。裁判ふっとばして、すぐにジャンヌの刑罰シーン。
ジェローデルとの婚約発表?の舞踏会には白い軍服でご登場のオスカルさん、どこかのご令嬢と踊ってベーゼまで(笑)。なんか商人婿候補と軍人父上はすでに仲が悪そうです(^^;A 婿候補はムダにエロくて何だかなー。

街頭で演説するベルナール、アジビラを聴衆に手渡すロザリー。女の足でベルサイユ宮殿近衛兵から逃げ切ったのかロザリー、確実に追いつける事故車には追いつかなかったのに。凄いな。
かけつけた衛兵隊に散らされる中にオスカルも居たり、アンドレがどこかから飛び出してきてかくまったり。

O「婚約をぶちこわしてきた」
A「そうか 第一歩だな 古い考え方を捨てて ついてくるか?」
O「今はまだだ まだ行かない 行けないんだ」 ←ここは良く覚えてた
ナレ(オスカルは眼も耳もふさぎ 再び軍務に戻った)

そこのナレーションはすっかり忘れてました。愕然…… orz


1789年5月5日
三部会。オスカルさんは王宮に居ます。鏡の間かな。……近衛辞めたんじゃ(^^;A ジョゼフ殿下についてるためっぽいですが。

王太子殿下の方が母より遥かに賢いという描写。7才で悟りすぎ。世の中は変わっていくものなんだとか話す己の死期も悟っている7才児。このジョゼフがオスカルの背中を押したようなモノか。

1789年6月17日
議場締め出し中。衛兵隊(オスカル含む)は議場前、遠巻きに見る民衆の中にベルナールとアンドレも。この時点でオスカルは大尉だそうです。発砲命令を拒否したオスカル、彼女を撃つように命じられたのを拒否した隊員まとめて牢獄行き。いつのまに隊員が隊長に懐いたのかさっぱり解りません。オスカルの命令拒否に共感したというところ?
※衛兵隊員はあくまでその他大勢なので、ユラン伍長もアランも出ません。
牢獄で隊長の演説開始。

「以前 友だちが言った
誰にも選ぶ権利があると
信じていなかったが
射たないでくれて感謝する
今いろんな事がみえてきた」

遅い。遅過ぎる。
で、いきなり捕虜奪還ですよー。先頭ベルナール、アンドレが続いて、民衆がなだれ込んできます。

でも家にとりあえず帰るオスカルさん、父ちゃんと決闘になります(^^;A 玄関ホール、オスカルが剣を飛ばされたところで、階上から駆け降りてくるアンドレ、父ちゃん負かします。や、ここは色々とカッコいい。結局は出て行くんですけど。「二度と戻らない」と言いつつ泣き伏すオスカルさん……かわいい……?
このばあやは普通に平民思想だったようです。祝福して二人を送り出しちゃったりします。父ちゃんは貴族の名誉の方が大事だったようで、典型的な貴族親父として描かれていたのにこの時点でようやく気がつきました。冒頭でもそれらしい台詞があるのですが、父ちゃんツンデレだから(それは原作父)かと思ってました。……ジャルジェ家、ばあやしか女性使用人がおらんのか。まぁ屋敷自体が冗談抜きで小さいのですけどね。orz
この時点で7/13

A「明朝 市民が武装してバスチーユを襲撃する
 君を残して行きたくないが―― 行かねばならん」
O「私も行こう」
A「いや… だめだ 君を失いたくない」
O「しかし 今こそ 二人で行く時だ」

よーやくオスカルさんからアンドレへ告白、物置きで一晩。オスカルとしてはむっちりすぎるのが難点なんですが、アンドレ役バリーさんとオスカル役カトリオーナさんの身長差が、コレはこれでいい感じです(笑) 映画オスカルさんは小さくて可愛らしいのが取り柄であり、イメージぶちこわす原因であり。

1789年7月14日
この時点で残り7分51秒程。
二階の窓から外を見る国王陛下、階下の窓辺では王后陛下とフェルゼンがいちゃいちゃ。ムダにエロいと思います。このシーンは解りやすい暗喩なのでよく覚えてました。もっとも、始めの方かと思ってのが、こんなギリギリの時点とは(^^;A フェルゼンがこの日その時間にそこに居ること自体がおかしいのは、もうどうでもいいかも知んない。

ナレ(王妃は恋人の腕で目覚めて 遠くの音を聞き― 風の音だと思ったのだった)
F「手おくれにならぬ内に 逃げましょう」
M「怖くないわ 悪い事はしてないし―― 私は彼らの王妃です」

集まってバスチーユに向かう民衆、衛兵隊員がバラで混じってます。オスカルとアンドレがデートでも行くような雰囲気で違和感ばりばり。軍の発砲で逆流する人ではぐれる二人、そうこうするうちに背中に一発くらって倒れる人。広い背中で当たりやすそうですね(汗)

時間がずれてるかも知れませんが、ちょっと書き出してみます。
01:57:10:バスチーユへ!の場面(前のプチトリアノンの使用人が逃げ惑う?シーンから切り替わり)
01:57:32:アンドレにつれられたオスカルがにこにこして登場ヾ(^^;
01:58:00:バスチーユ前、軍隊の発砲開始
01:58:09:市民逆走
01:58:21:向かい側から走ってきた市民に突き飛ばされてはぐれるのがこのあたり
01:58:50:アンドレの進行方向に現れた兵が発砲
01:58:57:アンドレ撃たれる
(そこここで小競り合い&オスカルは必死にアンドレ探してる)
01:59:20:このあたりでアンドレもう一回写ります。たぶんここで死んでる。
01:59:58:バスチーユに白旗!

三分ほどの描写でバスティーユ陥落て、早過ぎませんかっ!

映画的には盛り上がらないこと甚だしい状況。武装した市民が襲撃するはずが、手ぶらも多い為(オスカルとアンドレも手ぶらだった)、気楽なデモが軍に蹴散らされて行くようです。民衆に混ざってる衛兵隊員は銃持ってるのに使ってないし、絵にかいたような烏合の衆に落とされるバスチーユのセット自体がしょぼいし。
陥落で浮かれる民衆の間を泣きそうな顔して歩くオスカルさんは、やっぱりあれです『禁じられた遊び』のラストシーン。

アンドレの昨夜の台詞「勇気をもて 今は勇気をもたねばならん時だ」がかぶって
オスカルが彼の名を呼んで終わる。

エンドクレジットの欧文フォントがポップ系なものでごっつう違和感。文字色が生マゼンタと生シアンだし(^^;A

まとめ

ええと。実は「オスカルの子供時代の遺物」にアンドレも含まれていて、乗り越えるべきものor手放すべきものとされる、という解釈でよろしい?(汗) (あまり良くない意味で)子供のままで居たかった彼女が、周囲からいろんな事を知らされて父の懐からも卒業し、全部そぎ落として大人になると。オスカルの設定年齢も無視して、なんだかそんな感じに話を持っていかれてる気がしました。映画アンドレは、“オスカルと対になる者”というより“導く者”でしたしね。
原作オスカルのあの性格は悪い意味での少年(あるいは少女)じみたものであると、現場スタッフには解釈されたのだろーか。オスカルはタダの飾り人形として扱い、あくまでアントワネットの無能さを描きたかったのか。

なんか酷くありませんか。

子供の頃に観た時は、なんであっさりはぐれて片方だけあっさり死ぬねん、と単純に思ってましたけど。あと、バスティーユしょぼい。原作と別物として観ればなんとかなると思ってたかも。
今観ても微妙なものは微妙ですが、微妙なポイントがちょっと変わってます。キャラクターの在り方が原作と違い過ぎる、その差の大きさは今の方が良く判りました。単に男装しているだけの女性でしかもほぼラストまでモラトリアム風味貴族子女なオスカル、という演出には本当にガックリ来ます。昔からオスカル&アンドレ派なせいもあって、アントワネットがこれだけ脳みそ空っぽな描写されてるなんてすっかり忘れてましたしね。女優さんはすごくいいのに、もったいない。

すっかり忘れてたと言えば、映画ロザリーの存在。原作版ロザリーは好きですが、この映画版ロザリーはジャンヌを小物化したような性格になっている事もあって、民衆への感情移入がしずらくなってるんですな。だめじゃん(^^;A ポリニャック夫人の方がある意味マシです(汗)

逆に、ジョゼフ王太子がキャラ的に清涼剤になりました、というかピンポイントで重要人物。アンドレとも離れてしまっていた映画オスカル。ジョゼフが居なければ、彼女は貴族側に居たままだったんじゃないかな……話成り立ちませんがな。

ルイ16世、アントワネット、ジャルジェ将軍、ベルナールやロベスピエール、ニコラスの配役はいいと思いました、キャラ描写はさて置き。ポリニャック夫人はすっかり悪女系でしたが、それはそれで説明に時間をかけずに済むので良いのではないかと。オスカルとアンドレ、ジェローデルは、この映画での性格にはよく合ってると思います。魂を分け合う者というより妹をかまいまくるお兄ちゃん風味のアンドレ、これはこれで結構好きです。フェルゼンはこんなもんかな……まぁイケメンお坊ちゃまには違いないのかな(^^;A
よく見れば個性的な面々なのですが、いかんせんカツラ愛用の方々は頭がみんな同じ色で似たような形なので見分けがつきにくいのが難点で……orz アンドレの濃い髪と長身はオトクです。

馬とロケ地、衣装や小道具などは良し。“バスチーユ”と某肖像画はしょぼすぎるので除きます。配役もおおむね良し。ですが、映画という時間的制約にあわせてキャラ自体を整理して数を削る代わりに、各キャラの多面性を削り殺してしまったあげく、全体が平坦なモノになってトホホな感じ。原作関係無しにしても、アントワネットの周囲をうだうだと描写するのに時間を取ってラストのバスティーユ攻撃が3分無いのはどうなんでしょう。あんな烏合の衆(としか見えない演出)に3分で落とされるなんて有り得ないですよ。はしょり過ぎて原作知らないと流れがさっぱりわからなくなってる部分もあると思います。いくら風景が良くても、脚本が駄目過ぎです。


そういうことで、公開時とテレビ放映初回時に観たっきりで何年ぶりに見たのか謎な『Lady OSCAR』観賞メモでした。先にテレビアニメを観て感じた、原作⇔テレビアニメ⇔実写映画というキャラ&価値観変貌度の図式。今回観直して、実写映画で原作と逆の方向へ振り切り、テレビアニメはその反動で半分ぐらい戻ってきたというイメージがすっかり定着しました。(2007/06/15 6/28 update)


DATA

DVD発売元:ジェネオンエンタテインメント(株) PIBD-1104
2001/12/07 発売・4,935円(税込)